暗算のコツとは、むずかしい計算を、頭の中で扱える二つか三つのかんたんな計算に変える近道です。ここで紹介するいくつかのコツで、日常の足し算、引き算、かけ算、パーセント、2乗の計算をカバーできます。どれも才能は必要ありません。それぞれ数分で覚えられ、短い練習を続けるうちに自然に使えるようになります。
いちばん役に立つ暗算のコツは?
いちばん役に立つ暗算のコツは、毎日使えるものです。足し算と引き算は左から右へ計算し、かけ算は切りのいい数に丸めてから差を直し、パーセントは10%と1%から組み立てます。さらに、×5、×9、×11、×25のための特別な近道をいくつか持っておきましょう。これだけで、日常の計算のほとんどをカバーできます。
下のコツには、どれもすぐに試せる例がついています。まず一つか二つから始めて一週間使い、それから次のコツを加えましょう。一つずつ覚えると、それぞれのコツがしっかり身につきます。
足し算を暗算で速くするには?
足し算を暗算で速くするには、左から右へ計算します。まず十の位をたし、次に一の位をたして、最後に二つの結果を合わせます。大きい部分から始めると、ほぼすぐにおおよその答えがわかり、残りはそれを細かく直すだけです。これは右から始める筆算とは逆のやり方です。
47+38なら、まず十の位をたして40+30=70。次に一の位をたして7+8=15。合わせると70+15=85です。3けたの数も同じです。256+137なら、200+100=300、50+30=80、6+7=13とたして、393になります。
もう一つの方法は、片方の数を切りのいい数にすることです。47から2を38に移すと、式は45+40になり、答えはやはり85です。左から右への計算は、正解するたびにパンチが決まる足し算ゲームで、次々に出るかんたんな問題をいちばん速く解く方法です。よくあるミスは、一の位から繰り上がる10を忘れることなので、計算しながら途中の合計を頭の中で唱えましょう。
繰り下がりなしで引き算を暗算するには?
繰り下がりなしで引き算を暗算するには、小さい数から大きい数まで数え上げます。まず次の切りのいい数までとび、そこから目標の数までとんで、とんだ分をたします。その合計の距離が答えです。この方法なら、筆算の繰り下がりの手順をとばせます。多くの人がわからなくなるのは、まさにその部分です。
83−67なら、67から70までが3。次に70から83までが13。とんだ分をたすと3+13=16なので、83−67=16です。同じ考え方は、100からのおつりにも使えます。100−37なら、37から40までが3、40から100までが60なので、答えは63です。
別の方法は、切りのいい数をひいてから、ひきすぎた分を戻すことです。83−67なら、70をひいて13にし、余分にひいた3を戻すと16になります。引き算ゲームでは、間にある切りのいい数が見つけやすいので、数え上げる方法がよく合います。二つの方法のうち、自然に感じるほうを選んで、それを使い続けましょう。
大きな数のかけ算を暗算するには?
大きな数のかけ算を暗算するには、片方の数を10、20、50、100のような切りのいい数に丸めてかけ、そのあと差を直します。19×6のような計算は、20×6から6を一つひく計算になります。切りのいい数はかけやすく、直しはたいてい小さなひき算かたし算一つですみます。
19×6なら、20×6=120を計算してから6を一つひいて、114です。48×5なら、50×5=250を計算してから2×5=10をひいて、240です。98×7なら、100×7=700を計算してから2×7=14をひいて、686です。
数をいくつかに分ける方法もあります。23×4なら、20×4=80と3×4=12を計算し、たして92です。いちばん近い切りのいい数に丸めるのが速くなると、ここで紹介したコツはどれも速くなります。よくあるミスは、直す量をまちがえることです。19×6では6を一つ多くかけたので、ひくのは1ではなく6です。
覚えておきたいかけ算の速算テクニックは?
まず覚えておきたいかけ算の速算テクニックは、×5(10倍してから半分にする)、×9(10倍してから、その数を一回ひく)、2けたの数の×11(二つの数字をたして、その和を真ん中に入れる)、×25(100倍してから4でわる)です。どれも、むずかしい手順をかんたんな手順に置きかえてくれます。
5をかける
5は10の半分なので、10倍して、その結果を半分にします。86×5なら、86×10=860で、860の半分は430です。同じ半分にする手順が使えるので、このコツを使うと、50や500のような数とのかけ算もずっと速くなります。86×50なら、86×100=8600を計算し、半分にして4300です。
9をかける
9は10より1小さいので、10倍して、その数を一回ひきます。46×9なら、46×10=460を計算し、46をひいて414です。
11をかける
2けたの数なら、二つの数字を離して、その和を真ん中に入れます。43×11なら、数字は4と3で、4+3=7なので、答えは473です。真ん中の和が10以上になるときは、1を左に繰り上げます。87×11なら8+7=15なので、真ん中に5を書き、8に1をたして、957になります。
25をかける
25は100の4分の1なので、100倍して4でわります。4でわるには、半分にすることを2回くり返すのがいちばんかんたんです。48×25なら、48×100=4800を計算し、2回半分にして2400、そして1200です。
片方を2倍、もう片方を半分にする
片方の数が偶数なら、それを半分にして、もう片方を2倍にしても答えは変わりません。16×25なら、半分と2倍で8×50、もう一度くり返して4×100になり、答えは400です。Math Maxの暗算の近道には、×5、×11、×25のコツのためのレベルがそれぞれあり、5で終わる数の2乗や、切りのいい数をはさんだペアのレベルもあります。どのレベルも、その近道が使える問題だけが出るので、近道に気づくことに慣れていきます。
パーセントを暗算で計算するには?
パーセントを暗算で計算するには、10%と1%から始めます。10%を出すには、小数点を左に1けたずらします。1%なら2けたずらします。ほかのパーセントのほとんどはこの二つから組み立てられます。5%は10%の半分、15%は10%と5%の合計、20%は10%の2倍です。
ある品物が46で、15%引きだとします。46の10%は4.6、その半分は2.3なので、15%は4.6+2.3=6.9です。割引額は6.9で、支払うのは46−6.9=39.1です。
もう一つ、あまり知られていないコツがあります。パーセントは入れかえることができます。yのx%は、xのy%と同じだからです。25の8%を計算するのは面倒に見えますが、8の25%なら8の4分の1なので、2です。同じように、75の4%は4の75%で、3になります。割引や値段の変化は、Math Maxのパーセントのテーマがまさに扱っている内容なので、二つのコツを使うのにぴったりの場所です。次に見かけた値札で試してみるのもいいでしょう。
2乗を暗算するには?
2乗を暗算するには、近くの切りのいい数を探します。a²=(a−b)×(a+b)+b²という式を使い、bは切りのいい数までの距離です。5で終わる数なら、十の位の数字にその次の数をかけ、結果のうしろに25を書きます。
19²なら、切りのいい数は20で、距離は1です。20×18=360を計算し、1²=1をたして361です。52²なら、50までの距離は2です。50×54=2700を計算し、2²=4をたして2704です。
5で終わる数はもっと速く計算できます。35²なら、3にその次の数をかけて3×4=12、そのうしろに25を書いて1225です。65²なら6×7=42なので、答えは4225です。
同じ式で、切りのいい数の両側にあるペアも計算できます。48×52なら、真ん中は50で距離は2なので、答えは50²−2²=2500−4=2496です。これは魔法ではありません。パターンに慣れれば頭の中でできる、代数の計算です。
暗算の答えを確かめるには?
暗算の答えを確かめるには、まず見積もりをして比べます。両方の数を丸めておおよその結果を出し、正確な答えがそれに近いかを見ます。一の位を確かめる方法もあります。積の一の位は、かけた二つの数の一の位だけで決まるからです。
48×19なら、見積もりは50×20=1000です。丸めて直す方法で正確な答えを出すと、48×20−48=960−48=912です。これは1000に近いので、大きさは合っています。一の位は8と9で、8×9=72の一の位は2なので、912と一致します。
見積もりをすると、0が一つ足りない、数字の位置がずれているといった大きなミスを見つけられます。電卓を使えないテストでも役に立ちます。筆算で出した答えがまちがっていることに、次の問題に進む前に、すばやい見積もりで気づけるからです。
暗算を速くするには?
暗算を速くするには、コツを何度も、短い時間で、少し時間に追われながら使うことです。コツを知っていることと、考えずにそのコツが出てくることは別の力で、その二つをつなぐのが繰り返しです。ときどき長い時間やるより、ほぼ毎日数分ずつのほうが効果があります。
表を読み返すのではなく、毎日短く思い出す練習で九九を覚えるというアドバイスも、同じ考え方にもとづいています。計算を始める前に答えが浮かぶようになるまで、記憶から何度も答えます。
ゲームが役に立つのは、その繰り返しが遊びのように感じられるからです。Math Maxでは、ライバルにも同じ問題が出ます。どちらが先に答えるかの競争が、電卓に手をのばすのではなく近道を使うように背中を押してくれます。何ラウンドも続けるうちに、まず見積もってから細かく直す習慣が、お店でも、仕事でも、数字が出てくるところならどこでも、自然に出てくるようになります。数字に強いままでいたい大人の方は、大人向けの算数ゲームのガイドでさらにアイデアが見つかります。練習を続けるための方法を紹介しているほか、忙しい一週間にも組みこめるシンプルな習慣も提案しています。
毎日使う少しのコツが、使わない長いリストにまさる
自分がいちばんよくする計算に合ったコツを二つ選びましょう。たとえば、左から右への足し算と、10%から考えるパーセントです。がんばらなくても出てくるようになるまで一週間意識して使い、それから次のコツを加えます。九九を覚えた子どもなら、これらのコツのほとんどを数分で覚えられます。大人も同じです。速さは才能ではなく、練習から生まれます。
